そんなときは手をあげて。

両手じゃなくていいです。

健康診断で健康になれるわけではない。

おはようございます。まだ大半の人々はおはようしてないことは知っています。業界人のご挨拶、おはよう。

 

先日健康診断がありました。今どき労基が強みを増しましたから、従業員に健康診断を受けさせていない、なんて会社は真っ先に踏み入られるのかなぁと思いますが、実際はどうなんだろう。

タクシー業界は、と言い切ってしまっていいものか、もしくは他の業界でも深夜帯に働く形態を設けている業種の企業さんは総じてそうなのかは不明ですが、私のように夜専門で働いていると健康診断は年に2回受けなければなりません。日勤からの移行に伴っていたため、前回は3月に受けました。血圧・血液・尿・身長体重・視力聴力・心電図、レントゲン、そして問診。余裕ですよね。身長体重のあたりで壁に貼ってあるコレステロール値とかBMI値の一覧表見せられて何か説明されましたが、ちょっと耳が休憩とってて聞こえませんでした、特に異常なし。

続いての2回目が先月にありました。1回目と同じ内容でしょ余裕。と思って、前日…仕事から帰宅しての時間なので正確には当日の明け方に小腹満たしながら問診票の記入をね、してました。それまで封も切ってなかった。

検便・胃検査・子宮癌検査、新項目についての問診票と検査の受け方注意事項や説明書が数枚入っててびっくり。びっくりと同時にやばいの一色でした。

 

いやだって検便って。出ないじゃん突然。夜中だし、仕事終わったばかりでお腹空いてる時に出ないよ。検便って、今の時代にはもう古い検査方法なのかと思ってたけどそんなことないんですね。

封筒にはしっかり便を仕込む容器が入ってました。ちょっと例えがアレですが、シャボン玉売ってるでしょ、液だけじゃなく、蓋の裏にプラスチックの棒がついてて、先端がちっさな輪になってて。あのような形です。そいつが2本。2回いたせ、ということね。水洗トイレ事情に配慮して、水に浮かび便を受け止め最後はそのまま流せるというご親切な紙まで2枚入ってました。この紙にした便にね、先ほどご説明しました容器からはずしたピックを挿すのです。なのでそこまでの量は不要ということです。ちょっと出れば、ピックにつくくらいさえ出ればいいのです。しかしゼロはゼロです。

うわーどうしよう、と「出なかった場合」の注意事項が書いてあるんじゃないかと封筒を探ってみたところ、ちゃんと書いてあった。《4日前から検査可能です》ほーらね、当日これ読む人なんていないんだよね。けど4日も出したもの置いといて臭いとか大丈夫かしら、とお思いでしょうがこれが大丈夫なのです。容器にはホルマリンかなぁ、あの内臓とか目玉とか漬け込んでおく防腐の液体、あれが入ってます。それでも心地いいものではないけど、その先に他人の出したものをあれこれ調べてくださる方々がいると思ったらそんな気分がどうとか言えないでしょ。さらにこう。《直接肛門に挿し込んで採取しないでください》…いるんだよ、世の中にはこんな人が。過去にいたから追記されたのでしょう。現在私たちが図鑑を開きさえすれば毒キノコを毒キノコと知ることができるように、過去に挿しこんでしまった人がいたのです。毒キノコを食らった人も挿し込んだ人も、どちらも勇者です。とんでもない勇気をどうもありがとうございました、おかげでほんの少しだけチラッとよぎった回避策がスーッと消えました。すべては当日まで開封しなかった自分が悪い。潔く空のまま持参して、後日提出してね、とまた持ち帰らされ、再びわざわざ提出しに行きました。

 

それ以上にやばいだったのは胃の検査でした。

胃の検査前日の人「いやー明日胃カメラ飲むから、今夜は9時から何も食えねーんだー、急いで晩酌しなきゃだなぁあはは」

これは有名な、胃の検査を控えた人から最も発される笑い話でしょう。笑ってるのは本人ですが。だいたいこれを聞かされた人って、大変ですねーとか、うわー9時から飲みに誘おうと思ってたのに!!とか、返しも決まっています。新入社員の皆様は覚えておくといいでしょう。このやりとりをし逃した、とか私のやばいはそういうのではなかった。食べてたんだよね、帰宅してすぐに。しかもちゃんとビール片手に生姜焼きを。食べながら飲みながら胃検査の説明書を目にする、小さい目がさらにちっさくなるよね。いやちょっと待って…吐く?吐けるなら吐けばいいのだろうが、吐けない体質なのです。数分考えましたが、その時明け方4時、健康診断スタートが11時。朝イチからじゃなかったのできっと消化する。たかをくくって完食しました。どうにもならないことがね、世の中にはありますよね。

さぁ当日、待ち受けていたものは胃カメラ、ではなく透視台、バリウムでした。変な時間に食事を摂っていたため、お腹なんて全然空いてない。そこにバリウム。最近のは味が良くなって飲みやすくなりました、だそうですがちょっとお聞きしたい。問題は味だけなのか?と。バリウム飲む前に粉末の炭酸を飲みます。確かに少量でした。しかしです、私個人的な事情で恐縮ですが、粉末を飲めません。薬も粉で処方された場合オブラート使用します、粉末炭酸なんて聞いてない。急かされて口に入れたものの、当然飲み込めず噴出しまして怒られました。流し込む水も紙コップの底にほんの少しなんだもの。何とかゴクッとしてからバリウムでしたが、ほーらね。甘い。ドロッとして甘い。ホットケーキミックスを生で飲む感覚が1番似てる、でもあんな甘さじゃない。そこここにセメントの味がする。だいたいね、私甘いのもドロドロも苦手なんですよ。味をバニラにしてもヨーグルトにしても、問題はそこじゃないのです。何よりもしんどかった。これもオエーってなりながら頑張って飲んだのに、遅いと怒られました。これじゃ怒られたことで胃が痛くなるよ。

あとはもうパンパンなお腹でゲップを我慢しながら、台の上で転がりました。なぜ転がるか、胃の内部にバリウムを塗り付けていくためです。いろんな角度から撮影するってのはもちろんですが、では次世代の研究者様方には、固定で味もわからないうちに飲み込んでから胃の内部でブワってなるバリウムの開発に力を入れて欲しい。こんな研究してるチームがあったらお知らせください、寄付を厭いません。頑張って宝くじ買っておきます。

最後の地獄は、このバリウムを体外に排出させるために飲む下剤でした。バリウムは固まるので、腸になんて残ったら非常に大変なのです。随分前に所属していた先輩は、もともと便秘症だったせいで下剤を飲んでも完全に排出し切らず、半年以上人工肛門になったそうです。これは代々語り継がれている健康診断の悲劇です。あとね、バリウムって固くて重いの、出す場所はご自宅がベストでしょう。水流してもミリも動かない、びっくり。外出先で出しちゃったら迷惑もかけますが心配もかけそうです、真っ白だし。そこらへん全然説明書に書いてなかった。普段から医療に従事してる方々にとってはそんなことは常識なのでしょうが、そうではない私みたいなのにとって、しかも初めての体験な人間にとって、これは説明不足もいいところです。初心は忘れちゃいけないよ。

 

子宮がん検診はもう思い描くとおりでした。しかしいつも思いますが、あの検診台はなかなかなもです。男性も前立腺とか検査するとき、あの台に座ってぱっかーんと広げられて異性の医師にあれこれ調べてみてもらうといい。何度乗っても慣れません。頭じゃわかっていてもこればかりは。

 

新項目について詳しく書いてみましたが、基本的項目もそこそこ大変でした。血管が見えにくいようで針を刺してから探されたり、大変でした。誰だよ余裕だなんて言ったの。

 

結果は会社に届くのですが、私に断わりもなく私より先に開封して見て「会社として把握するために」とか言う常務、いつか出っ張ってる顎を蹴り上げたい。